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WEB消防談話室

笑い話

消えた隊長



消防隊に、仕事が大嫌いな隊長がいる。朝から酒臭いこともあれば
勤務が終わる前に帰ってしまうこともある。
別にその辺は誰も気にしていないし、仕事は隊長抜きで進めていくからかまわないのだが、
いざ災害が発生したときに消えてしまうのだ。

いや、消えると言っても一応消防車には乗っていく。そして火災であればホースを伸ばして
消火活動に入ってくれるのだが、気づくとホースがシャット(手元で水が出ないようにした状態)
され、隊長の姿はどこにも見えない。

建物の火災となれば10台近くの消防車が集結し、数十人の消防隊員が消火活動を行う。
だが、誰に聞いても隊長がどこにいるのかわからない。
「隊長いる?」
「いえ、もう消えました!」
といった消えることがさも当然のような会話がなされたのち、残された隊員は
自分たちの判断で勝手に活動を進めていく・・・

消火作業が終わり帰る頃になると、やはりどこからともなく現れる。
「あ〜疲れた。帰んべや」
絶対に疲れているわけがないのだが、このキメ台詞ののちに無言の消防車は署に帰る。

それにしても、防火服と防火帽を着装という世間から見ると非常に目立つ格好で
どこに隠れているのか、謎である。


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