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雑学「時刻」と「時間」時刻と時間は全く別の言葉である。「時刻」とはある一瞬の「時(とき)」を 何時何分といった表現を用いてあらわすものであり、「時間」とは2つの「時」の「間隔」を 何時間若しくは何分間といった表現を用いてあらわすものである。 つまり、時の流れを一つの直線としてあらわした場合に、時刻とはその上に打たれた点であり、 時間とはその上に引かれた線分である。 「時刻」と「時間」とを比べた場合に、「時間」のほうが圧倒的になじみのある言葉であり、 本来「時刻」を用いるべきところで「時間」を使う間違いに比べて、 本来「時間」を用いるべきところで「時刻」を用いる間違いはほとんどない。 日常生活で最も多い間違いは「今の時間は9時30分です」といったものであり、 一つの「時」をあらわすのに「時刻」でなく「時間」を用いるものである。 消防業務で使用する書類でも間違いは多い。覚知、すなわち消防機関が災害を知った時を表現する言葉は 「覚知時刻」が望ましいが、多くの職員が何の疑問も抱かずに「覚知時間」と言う言葉を 公文書で使用している。「時間」を用いるべきは、「覚知・現着時間」や「現着・現発時間」など、 2つの出来事の間にどれだけの(時間的)間隔があいているかを表現するときのみである。 現在、ウツタイン(Utstein)という、病院外心肺停止に関する統一表記法が提唱されているが、 その中でも「時間」と「時刻」の区別にこだわっている。 英語だと両方とも「Time」の一語で表されるため、 「time point」と「time interval」という用語で区別する方法が推奨されている。 これに比べ、日本語では従来から2つを区別した言語の発達があるのだから 単に正しい使い方をすれば問題は解決される。 ●戻る● |