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WEB消防談話室

雑学

ゆらぎのある消防救急用語



使う人によって意味に「ゆらぎ」がある消防・救急用語です。
これらの言葉を使うときには、相手がどのような意味で使っているのかを確認することを
オススメします。


覚知時刻
「消防が災害を知った時刻」という漠然とした時刻を示す言葉。消防本部によって「119回線が接続された時刻」「通報内容を聴取し、回線を切断した時刻」「指令室から署所に指令を流した時刻」「指令を受け、出動隊員の編成が完了した時刻」などと実際に覚知時刻を取るタイミングは異なる。よって、消防統計と各消防本部の時間経過の統計を比較しても、特に覚知〜現着時間などでは、あまり意味がない。なお、救急統計に関してのみ、「覚知時刻は119回線が接続された時刻」に全国で統一された。

人定
法律用語としては、裁判官が証人や被告人に「間違いなくその人であるか」を確認すること。そこから、警察や消防でも、「間違いなくその人であるかを確認する」という意味で「人定を取る」という言葉を使うようになった。しかし、消防は警察と異なり、基本的に相手から聴取した内容を疑うということをしない(勘違いや間違いの可能性は考えるが、意図的に嘘をついているという考えは持たない)。結果、本人や家族から聴取した住所や氏名の情報のことを「人定」と称するようになった。「人定を取る」という言葉が、単に本人から住所や氏名を聴取することを指すのか、公的身分証明書などで確認することまでを含めるのかが、消防と警察で異なることがあるので、注意が必要。

IC
INFORMED_CONCENT(インフォームドコンセント:説明された上での同意)の略らしい。ここ数年、特に特定行為を実施する際に関係者から得る同意をさす言葉として救急隊員の中に使用者が増えてきた。そもそも、INFORMED_CONCENTという言葉自体、人によって受け取り方が様々で、「説明と同意」とまだマシな理解をする人もいれば、中には「よく説明すること」と理解する人もいる中で、「家族からの状況聴取」の意味で使う人まで出る始末。INFORMED_CONCENTとして成立させるためには、少なくとも現在の患者の状況と、これから行う予定の処置の効果とリスク、それを拒否した場合に想定される不利益については説明し、十分な時間を与えた上で同意するかどうかの回答をもらう必要がある(INFORMED_CONCENTに応じるかどうかすらも任意であり、「よく分からないのですべてお任せします」というのは典型的なINFORMED_CONCENTの拒否である。処置の拒否とINFORMED_CONCENTの拒否が持つ意味は異なることに注意せよ)。よって、病院前救急でINFORMED_CONCENTを得るのはおそらく不可能。その上、略語にしてしまっては各人が「IC」の範囲をまちまちに捕らえてしまい、隊員間のコミュニケーションに支障を及ぼす可能性がある。実態が不明な略語の使用にこだわらず、「特定行為の説明」や「特定行為の同意」、「搬送先についての説明」などという表現を使用するべき。なお、家族や関係者からの同意は、救命処置を行う上で絶対に必要な手続きではないので念のため。

プロトコル
プロトコールは誤読であり、病院前救急以外の分野ではあまり使われない(例:通信プロトコル)。英語表記はPROTOCOLで、もしかしたらプロートコルという読み方はできるかもしれない。救急活動上の医師との電話連絡と関係することが多いことから、PROTO−CALLと誤解しているのかもしれない。活動フローチャートの意味で用いるのは論外。地域MC協議会が作成するもののうち、救急救命士が行う活動についてのプロトコルは、対象が包括的指示か具体的指示かで意味合いが大きく異なる。包括的指示に関するプロトコルは救命士法2条に基づく医師の指示であり、プロトコルよりもむしろ「オーダー」に近く、(建前上は)強制力を持つ。具体的指示の場合には、指示を出す医師と指示を受ける救命士が活動をスムーズにするために事前に行う「申し合わせ」であり、双方にプロトコルを遵守する意思がないと成立しない。救命士側が無視することは考えにくいが、医師側がプロトコルを無視した具体的指示を日常的に出すと、プロトコルは単なる古文書と化す。救命士以外の救急隊員に対する活動プロトコルは医師の助言のオフライン版であり、もちろん強制力はないし、責任の所在もあいまいである。(もちろん、それに基づき消防長訓令などの形でオーソライズし、組織内での強制力を担保した場合には異なる)

特定行為
法律上の用語としては救急救命士法44条の「医師の具体的指示を得なければならない救急救命処置」を指す。平成23年現在は器具を用いた気道確保(ラリンゲアルマスク、食道閉鎖式エアウエイおよび気管挿管チューブ)、静脈路確保、薬剤投与の3つ。以上で話は終わりとなるはずだが、実際には人によって特定行為の指す範囲が異なる。除細動を含めて使う人と、気管挿管と薬剤投与は特定行為に含まないで使う人がまだまだ多い。指示を出す医師の中にもいる。これは、特定行為の指す範囲が「除細動」「気道確保」「静脈路確保」であった時代が長かったためと、気管挿管、薬剤投与は認定救命士や登録救命士によって行われる「さらに特殊な処置」であるという意識があるため。

バイスタンダー
BY_STANDER。もともとは「患者が倒れたときにそばにいた人」を意味する。CPA患者の場合には倒れた(≒心臓が止まった)時間が確定するのかどうかを知るためにバイスタンダーがいたかどうかが重要な情報となる。また、バイスタンダーがCPR(心肺蘇生法)を行った場合には「バイスタンダーCPR」という。したがって、倒れた瞬間にはそばにおらず、「(既に)倒れているのを見つけた」人はバイスタンダーとは言わず、その人がCPRを行ったとしても「バイスタンダーCPR」と言ってはいけない。そのようなCPRを本来の意味でのバイスタンダーCPRと同一に扱ってしまうと、統計上、バイスタンダーCPRの有効性に負のバイアス(実際よりもバイスタンダーCPRの効果が低く評価される)がかかってしまい、有害である(統計上、またその統計に基づきバイスタンダーCPRについての戦略を決める上で有害という意味であり、たとえバイスタンダーでなくても、心停止患者にCPRを行う行為はもちろん有害ではない)。英語表記ではLAY_RESPONDER(倒れた人に対応する(した)人)という表記のほうが増えている。





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